初めて天津飯を食べたのは社会人になって間もない頃、会社帰りに寄った中華料理屋だった。
あまりの美味しさにおかわりをしてしまったくらいだ。
そこの天津飯のあんは透明で他に天津飯を食べた事がなかった私は天津飯と言えばこういうものだと思っていた。
別の店で天津飯を食べる機会があり、そこで出てきたのは茶色いあんで味も全然違っていた。
そこで初めてこの地方ではこの茶色いあんが主流で、透明なあんの天津飯は最初に食べたあの店でしか食べられないものだと知った。
それ以来、天津飯はその店でしか食べない事にしていたのだがその店が潰れてしまってもうあの天津飯は食べられなくなってしまった。
たまに家の夕食で永谷園のかに玉が供される事があり、それはそれでおいしく頂くのだが、そのたびにあの透明なあんの天津飯を思い出すのであった。
そんなある日、世の中には塩あんの天津飯があると知った。
ひょっとしてあの天津飯は塩あんだったのか?
中部地方で検索してもほとんど出てこないが関西方面に目を向けると比較的塩あんの店が多くなる。
一番近いところで岐阜県大垣の中華料理屋で塩あんの天津飯が食べられる事が判明。
これは食べないわけにはいかない。
と言う訳で早速食べに行った。
【小天津飯(450円)】
塩味でふわふわの卵の味がちゃんと楽しめる美味しい天津飯だったが、あの天津飯とは違っていた。
いつかもう一度あの天津飯を食べる事ができるだろうか?
ちなみに、以前、あの天津飯を再現できないか家で作った時は魔法の赤い缶を使って結構いいところまで再現できたが、何か違う気がした。
思ひ出の中でだいぶ美化されてしまっているのだろうか?