眉村卓とボク

 映画の話なので映画っぽいタイトルにしてみた。

 

 wowowで映画「僕と妻の1778の物語」をみた。

 癌を患った妻に、妻が亡くなるまで毎日1話、ショートショートを書いて元気づけたと言うSF小説家、眉村卓の実話を基にした映画だ。

 普段、この手の映画(主人公や主人公の大切な人が死ぬ事が分かっている実話を基にした映画)はあまりみないが、眉村卓の話だったのでみてしまった。

 眉村卓の小説は夢中になって読んでいた時期があったので、その実生活について興味がわいたからだ。

 後で調べると、奥さんが闘病した時期は1998年~2002年くらいの間だったようだ。

 意外に思ったのは、思いのほか貧乏だった、と言う事だ。

 治療費のために書きたくない恋愛小説を書こうとしてみたり、家は雨漏りがひどかったり。

 私が夢中になって彼の小説を読んでいたのはこの話よりずっと昔の話で、その頃日本ではSF黄金期などと言われていて、彼の小説も本屋に何冊も並んでいた。

 私はてっきり、売れっ子小説家で印税で裕福に暮らしているのだと思っていた。

 映画は貧乏な方が面白いだろうと言う事で脚色したのだろうか。きっとそうに違いない。

 それを確かめるために映画の原作、「妻に捧げた1778話」を読んでみようかと思ったが、本の説明を読んだだけでウルウル来てしまったのでやめる事にした。

 

 映画は途中、眉村卓が奥さんのために書いたショートショートと現実が入り混じってコミカルでファンタジックだったが最期はやはり悲しく終わった。

 映画は単純明快、勧善懲悪、ハッピーエンドが好み。

 

 

 眉村卓の小説はこれぞSF、的な話と、日常の中で起こる不思議な話、に分かれていて、当時、自分はザ、SF的な話が好きだったのでそういう本を読みつくした後は別の小説家の本を買うようになり、眉村卓小説から離れていった。

 当時は良く分かっていなかったがどうやら自分が読んでいたのはジュブナイル小説と言う、ティーンエイジャー向けのカテゴリーの小説だったようだ。

 いまなら地味な方の小説も楽しめるかもしれないので読んでみようかなと思う今日この頃であった。 

 

 「今日この頃であった。」って書くとなんかちゃんと話が終わったって感じがするなぁ。