リブデストロイヤーの読書遍歴5

乱読期

 

 家で本を読まなくなったのはいつ頃からだろうか。

 気づけば家の中での暇つぶしは読書からテレビゲームに代わっていた。

 そんな事でめっきり本を読む機会が減ったが、一時期、電車通勤をしていて、結構な勢いで本を読んだ。

 朝は電車の中で寝ることができたので帰りの電車だけだったが、平日毎日40分、5年くらい。

 少なくとも一週間に2冊くらいは読んでいたのでこの時期だけで500冊くらいは読んでいた計算になる。

 昔は同じ作家の本を読み漁るスタイルだったが、この時期は何でも読んでみよう。と言う事で今まで読んだ事のない作家、ジャンルもなるべく読むようにした。

 この頃、ブックオフという便利な店ができた。中古の安い本はちょっと面白そうだなと思ったらすぐ買えるので冒険できる。

 夢中になって読んでいると40分の電車の移動時間があっという間に終わるのがよかった。

 降りる駅に着いたのに気づかずに乗り過ごしてしまった事も何度かあった。

 いろいろ読みすぎてどんな本を読んだかほとんど思い出せない中で出てくるタイトルはきっと面白かったものだろう、と言う事でちょっとリストアップ。

 

小林泰三 「AΩ」 

AΩ 超空想科学怪奇譚 (角川ホラー文庫)

AΩ 超空想科学怪奇譚 (角川ホラー文庫)

 

  宇宙生物が事故で死にかけた人間に入り込んで体を復活させて活躍する、みたいな話。あまり覚えていが、面白かった本は?と考えると浮かんでくる作品。面白かったのにあまり覚えていないのが情けない。でももう一度読み返したら初めて読んだみたいに楽しめるかもしれない。

 

パトリシア・コーンウェル 「検屍官シリーズ」 

検屍官 (講談社文庫)

検屍官 (講談社文庫)

 

  あまり推理小説を読まないがこのシリーズはよく読んだ。結構偉くなった女性検屍官と高血圧が心配な中年捜査官のコンビが事件を解決する、みたいな話だったと思う。

 シリーズものは登場人物に親近感がわいて何冊も読んでいると、ストーリー以外にもこれらの登場人物が存在する世界にまた浸りたい、みたいなところがあると思う。

 

フレデリック・フォーサイス 「シェパード」 

  外国のスパイ小説もいろいろ読んだが、この人の本が一番面白かった。中でも冷戦時代の西と東の戦いをえがいたマクレディーシリーズはスパイ映画を見ているようなドキドキ感が楽しめる。「シェパード」に収録されている短編は冷戦時代の話ではなく、地味な作品が多かったと記憶しているがそこがまたよかった。

 

 

 他にも思い返すといろいろ出てくるが作品名、作者名が全然出てこない。

 膨大な文庫本を取っておけるほど家が広くないので読み終わったらすぐ売り飛ばしていた。だからもう確かめる事はできない。

 読書カードを作っておけばよかったと今頃になって後悔。

 

 そして今、全く本を読まなくなって久しいが、今までの読書遍歴を振り返ってみたらまた本を読んでみたくなった。

 新しい本を見つけたい、と言う欲求はほとんどなく、今まで読んだ本をもう一度読み返してみたい、と言う気持ちが大きい。

 私の読書人生、ひるがえって私の人生自体も斜陽を迎えたと言う事だろうか。(斜陽って言葉は昔読んだ本のタイトルで、なんか今の気持ちにピッタリなんで使ってみた)