台風とクモ

 台風が来る前の日に窓の外をふと見ると、クモが一生懸命クモの巣を作っていました。
 明日台風が来るのを教えてあげたかったです。かれはそんな事とは露知らずせっせと規則正しく移動しながらほどなくクモの巣を完成させました。
 そして、「ふー、後は獲物を待つだけだな、ふふふ」といった感じでクモの巣の真ん中に陣取って動かなくなりました。

 翌朝、台風の中、同じ場所を見てみると案の定、クモの巣はなくなっていました。
 しかし、台風がおさまった夕方同じ場所に立派なクモの巣ができていました。よかったよかった。

 でもあんな小さい虫がどうやってあの巣を作る方法を知っているのだろう?
 中央からぐるぐる大きくしていくのかと思ったら外から中心に向かって渦巻き状に張っていくけど、最初の一周の円形をどうやって認識するのだろう?(すごいデッサン力)
 40億年前に最初の生命が誕生してからクモになるまでのどこかで尻から糸を出す生き物になったんだろうけど、どうやって進化したら尻から糸が出てくるようになるのだろう?
 そもそも生物の進化も分からない事ばかり。
 高いところに生えている葉っぱを食べていたキリンの首が長くなるのは理解できるけど、今まで糸をだしていない生物が糸を出したり、飛べない生物が鳥になったり、卵を産んでいた生物が胎盤で子供を育てるようになったりするのはかなり長期的な計画がないと不可能な気がする。
 そう考えるとこの世界が純粋に化学や物理学の法則だけでできていると考えにくくなってくる。
 やはり、人知を超える何者かによって世界が作られているのでしょうか?
 この世界が何者かのシミュレーションである可能性は50%より高い、って聞いた事があるけど、やはりそうなんだろうか?
 でもこの世界をシミュレートした何者かはどうやってできたのか?
 きっとシミュレーションの中の存在には理解できるだけのプログラムは組まれていないのでしょう。