冥王星から見る太陽の大きさを体感する

ニューホライズン冥王星に再接近しましたね。
鮮明な冥王星の写真に感動しました。
ついでにNASAのホームページをいろいろ眺めていたら、月明かりに照らし出された冥王星の風景らしきものがありました。
もちろんイメージ映像だと思います。
でも月明かりで地表を照らすほど太陽の光は冥王星付近に届いているのかな、とふと疑問に思いました。

そこで冥王星では太陽はどれくらいの大きさに見えるのか、計算してみました。

結果、冥王星から見る太陽の大きさは0.19ミリの球体を持って手を伸ばした時に見えるのと同じ位の大きさ、となりました。
ちなみに地球から見た太陽は5.6ミリの球体と同じ大きさ。(意外に小さい)

0.19ミリの球体はピンとこないですね。
身近にある細いものを探したら一般家庭で使うステープラ(ホチキス)の針が0.5×0.3ミリ。
だいたい直径0.4ミリとみなせるでしょう。
0.4ミリの物体が冥王星で見る太陽と同じ大きさになるには1.3メートル離す計算になります。

懐中電灯の発光部分をアルミホイルで覆って、そこにステープラの針で一箇所穴を開け、部屋を暗くして1.3メートル離れてみれば冥王星から見た太陽が出現します!

・・・ただの普通の星ですね。


ここまで計算して、ふと、地球に最接近した金星と比べたらどうなのか気になったので更に計算してみました。

金星が地球に最接近した場合、伸ばした手に持った0.18ミリの球体と同じ大きさ、って事になりました。なんと冥王星から見た太陽とほとんど同じ!

金星と違って太陽は自分で光ってるので金星よりはかなり明るいと思います。
そして金星の明かりでもまわりが暗い場合、影ができる事がある、との事なので、他に大きな光源がない冥王星では結構明るく見えるかも知れません。
あの絵はあながち嘘じゃないかも。


NASAの画像へのリンク
http://www.nasa.gov/sites/default/files/thumbnails/image/nh-pluto-moonlight.jpg


なお計算に間違いがあっても当方では一切責任をもちません!

      • 以下計算メモ---

方法 : (自分が冥王星にいたと仮定して)遠くのものをデッサンする時、鉛筆を立てて手を伸ばし、対称物と同じだけ鉛筆の先の飛び出し量を計る要領でそこから太陽の寸法を測定した場合、鉛筆の先の飛び出し量はどれくらいになるか算出する。
     あるいは、手を伸ばして太陽にかざして、指と指の間どれくらいの隙間に太陽が収まるか、その指と指の隙間の距離。

計算の理屈 : 2m離れたところにあるものは1m離れたところにあるものの半分の大きさに見える

直径Aメートルの物体が、Bメートル離れたところにあるとして、Cメートル離れた場所に、見た目上、同じ直径に見えるものがあった場合、Cメートル離れた場所にある物体の直径Dメートルを求める。

D=A×C÷B

とりあえず地球にいる場合で検証

1,391,684,000m(太陽の直径)×0.6m(腕の長さ)÷149,600,000,000m(太陽までの距離)=0.00558m → 直径5.58ミリ

ネットで太陽はかざした5円玉の穴と同じ大きさ、とある。←だいたい一致。

冥王星では?

1,391,684,000m(太陽の直径)×0.6m(腕の長さ)÷4,441,000,000,000m(冥王星から太陽までの距離)=0.000188m → 直径0.19ミリ

直径0.4mmの物体が冥王星から見る太陽と同じ大きさになるには視点からどれだけ離せばよいか

どれだけ離せばよいか=0.0004m×冥王星から太陽までの距離÷太陽の直径=1.276メートル


データ
腕の長さ 0.6m
太陽の直径 1,391,684,000m
地球から太陽までの距離 149,600,000,000m
冥王星から太陽までの距離 4,441,000,000,000m(最も太陽に近づいた場合)


公転半径 直径
金星 108,208,930,000m 12,103,600m
地球 149,600,000,000m
最接近距離 41,391,070,000m

12,103,600m×0.6m÷41,391,070,000m=0.175mm

ほとんど影響ないと思ったので惑星、恒星の直径を距離から差し引くとかは、カッツアイ!