奇妙な感情

 休みの日に一人で仕事をしていた。
 外はいい天気で、悲しくなるほど穏やかな風景。
 開けた窓から風が入ってきてとても気持ちいい。
 その時、昔の感情が突然よみがえってきた。
 いつの記憶なのか分からない。具体的な記憶ではなく、感情だけの記憶。激しい喜怒哀楽ではなく、例えていうなら、昔どこかで同じように穏やかな日に感じた漠然とした感情だけがよみがえったような。
 よみがえった昔の感情に包まれて、懐かしくて切なくて幸せな気持ちになった。